コーボラティブハウス
条件の微妙な違い
住民グループが土地を探し、集合住宅を自らの手で建てる方法を「コーボラティブハウス」あるいは「協同組合方式」と呼ぶ。メリットは、開発会社などが入らないため、同クラスの集合住宅に比べ価格が2割ほど安上がりなこと。さらに専有部分の室内の設計が大幅に自由になる点だ。逆に困難なこともある。まず住民のグループを作り「組合」として意思統一を図ることが最初のハードルとなる。建築躯体のプラン、共有部分のデザイン、さらにそれぞれの専有部分の価格設定も難しい。南北の日照条件やフロアの違いなど、各戸の条件は微妙に違う。
資金操り
そんな利害が絡む条件下で住民組合の意思を調整するのは容易ではない。次に、資金繰りが課題となる。コーボラティブハウスでは、建設費用を銀行から組合が融資を受ける形だ。これがネックで、個人が住宅口ーンを受けるように簡単にはいかない。にわか作りの事業体(組合)に、何億円という融資をするにはリスクがあるからだ。もう一つ、コーボラティブハウスには、計画から竣工までの期間が1年半から2年近くかかるという問題がある。今住んでいる住宅の買い替えの場合、中古住宅市場の変動や、資金繰りなどもクリアする必要がある。1人にトラブルが起きると組合全体の障害となるからだ。このような、複雑な諸問題の調整を個人レベルでこなすのは難しい。日本では1970年代からコーポラティブハウスが作られてきたが、広く普及はしなかった。これまで住宅・都市整備公団や東京などの住宅供給公社がこの方式を採用しているほかは散発的な事例に限られていた。

